SAITダウンタウンキャンパスに誕生した「Cyber Range」を訪問してきました
今週、カルガリーの専門学校SAIT(Southern Alberta Institute of Technology)がダウンタウンキャンパスに新しくオープンした施設「Cyber Range(サイバー・レンジ)」に招待してもらったので、GO AND SEEとして見学してきました。
サイバーセキュリティやインフォメーションセキュリティ関連のプログラムで使われるこの施設は、まるで映画の中のセキュリティオペレーションセンターのような、非常に没入感のある(Immersiveな)学習空間でした。
この記事では、実際に見学して感じたポイントと、SAITのサイバーセキュリティプログラムの概要、日本からの留学という視点での魅力をまとめてご紹介します。
Cyber Rangeとは?実践的に「攻撃」と「防御」を学ぶための空間
SAITのCyber Rangeは、サイバー攻撃と防御をリアルにシミュレーションできる、カナダでも先進的なサイバーセキュリティトレーニング施設です。
教室というより「ミッションコントロールルーム」に近い雰囲気で、巨大なモニター、ネットワーク機器、セキュリティツールの画面が並び、チームでの演習を前提に設計されています。
施設内の主なスペース
施設内には主に次のようなスペースがあります。
- Red Team(攻撃側)トレーニングルーム:実際のハッカーの手法を理解し、どのようにシステムへ侵入しようとするのかを学ぶ部屋
- Blue Team(防御側)トレーニングルーム:侵入の試みを検知し、防御・封じ込め・復旧などを行うSOC(Security Operation Center)的な役割を体験する部屋
- Central Command Centre:全体の状況をモニタリングし、チーム間の連携や意思決定を行う「司令塔」のような空間
これらの部屋を使いながら、参加者はシナリオに沿って「攻撃 vs 防御」のサイバー演習を行い、現実に近い環境でスキルを磨いていきます。
50以上のシミュレーションでリアルなサイバー攻撃を体験
Cyber Rangeの大きな特徴は、50種類以上のカスタマイズ可能なシミュレーションが用意されている点です。
例えば、企業ネットワークへのランサムウェア攻撃、重要インフラへの侵入、フィッシングメールから始まる情報漏えいなど、さまざまなケースが想定されています。
参加者が体験できる具体的なトレーニング
学生や受講者は、次のような経験を積むことができます。
- 限られた時間の中でログを分析し、攻撃の兆候を見つける
- チームで役割を分担しながら、防御方針を決定し、対応策を実行する
- 事後の振り返り(ポストモーテム)を通じて、どの判断が良かったのか、改善点はどこかを学ぶ
単にツールの使い方を覚えるだけでなく、「プレッシャーのかかる状況で、どう判断し、どうチームで動くか」という実務に近いスキルを身につけられるのが、Cyber Rangeの一番の魅力だと感じました。
SAIT サイバーセキュリティ プログラム概要
SAITでは、School for Advanced Digital Technology(SADT)のもとで、さまざまなサイバーセキュリティ関連プログラムを提供しています。
ここでは、日本人留学生にも特に注目してほしいプログラムを簡単にご紹介します。
Information Systems Security(ディプロマ・2年)
- 学位:Information Systems Security Diploma
- 期間:2年間(60単位・20コース、各年2学期)
- 提供:School for Advanced Digital Technology
- PGWP:取得可
- 学びの内容:
- 1年目:プログラミング、オペレーティングシステム、ネットワーク、戦略の基礎
- 2年目:防御・攻撃技術の実践応用、マルウェア分析、リバースエンジニアリング、フォレンジック、キャップストーンプロジェクト(実際の問題解決)
- Cyber Rangeでのエシカルハッキングやシミュレーション演習が取り入れられ、Security+やCompTIA+認定試験準備も可能
このプログラムは、IT初心者からセキュリティ専門家を目指す人に適しており、オプションのコープ(有給インターン)で実務経験を積めます。 Bachelorプログラムの前提資格としても推奨されており、Cyber Rangeのシミュレーションでチームベースの防御スキルを強化します。
Bachelor of Technology – Cyber Security(学士号・2年)
- 学位:Bachelor of Technology – Cyber Security
- 期間:2年間(約60単位・20科目)
- PGWP:取得可
- 入学基準:ITのDiplomaを持っている方対象
- 提供:School for Advanced Digital Technology
- 学びの内容:
- サイバーセキュリティの基礎理論
- ネットワークセキュリティ
- オペレーティングシステム
- 暗号の基礎
- リスクマネジメント、インシデントレスポンス、セキュリティ戦略など
このプログラムは、既に基礎的なITスキルを持っている学生が、より高度なセキュリティの専門家を目指すための内容になっており、Cyber Rangeでの演習も組み込まれています。
サイバーセキュリティの技術だけでなく、クリティカルシンキングやコミュニケーション、ビジネス視点も重視されているため、将来的にセキュリティアナリストやコンサルタントなどを目指す人に向いています。
社会人向けポストディプロマ・サイバーセキュリティコース
SAITは、既にIT業界で働いている人がサイバーセキュリティに専門性を広げるための、ポストディプロマ・キャリア統合型プログラムも提供しています。
- 対象:ITプロフェッショナル、ミッドキャリアの社会人
- 特徴:
- パートタイム・オンライン中心で、仕事と両立しながら学べる
- 約半分が職場学習(Work-integrated learning)として設計され、実務でセキュリティの役割を担いながらスキルアップできる
カナダでの就労経験を積みながら、サイバー分野にキャリアを広げたい社会人留学生には、非常に魅力的なオプションと言えます。
その他の SAIT サイバーセキュリティ 系プログラム
SAITのサイバーセキュリティプログラム一覧ページ(Cyber Security Programs)では、雇用主スポンサー型の1年プログラムやオンラインプログラムなど、目的やバックグラウンドに応じた複数の選択肢が紹介されています。
ITの基礎から学び始めたい方も、すでに現場経験がある方も、それぞれに合ったステップを選べる構成になっています。
→ SAITのサイバーセキュリティのプログラムはこちら(SAIT公式ウェブサイトへ)
日本人留学生にとってのメリット
サイバーセキュリティ分野は、カナダだけでなく日本でも人材不足が続いている成長領域です。
SAITのCyber Rangeとサイバーセキュリティプログラムには、日本人留学生にとって次のようなメリットがあります。
- 実践重視の学習環境:単なる座学ではなく、本物に近い環境で攻撃・防御の両方を体験できるため、「使えるスキル」として身につけやすい。
- 英語+IT+セキュリティを同時に伸ばせる:英語環境で技術を学ぶことで、グローバルな職場で通用するコミュニケーションスキルも鍛えられる。
- カルガリーという環境:カルガリーはテック分野の成長も期待されており、インターンシップやネットワーキングのチャンスも広がっているエリアです。
SAIT サイバーセキュリティ 写真ギャラリー




GO AND SEEからの一言
GO AND SEEでは、カルガリーを拠点に日本人学生・社会人の皆さんの留学相談をお受けしています。
「ITには興味があるけど、どのレベルから挑戦できるのか分からない」「サイバーセキュリティに興味があるけど、英語力が不安」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
SAITのCyber Rangeのように、実際に現場に近い環境で学べる学校は、これからのキャリアを考えるうえで大きな武器になります。
サイバーセキュリティ分野に興味がある方は、ぜひ一度、GO AND SEEまでお問い合わせください!